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海上保安学校
1〜2年間、全寮制の海上保安学校(京都府舞鶴市)で「研修」を積んだのち、海上保安官として各地の海上保安本部に勤務となります。警察官の試験に合格したときに、「警察学校」に入るのと同じイメージを持つとわかりやすいでしょう。 仕事は、一言で言えば「海の警察」ですが、その他、「灯台などの管理」「海の地図作成」をそれぞれ専門に行う部署もあります。 課程・コースによって様々な道が開けていますが、ふつうの公務員受験者が受けやすいのは、理科・数学などの専門試験がない船舶運航システム課程です。 ピックアップデータ
1年間(情報システムは2年間)、全寮制の海上保安学校(京都府舞鶴市)で学ぶ。 採用予定数より多めに合格させるので、辞退者が少ないと名簿残留となる(合格したが海上保安学校への入校許可が出ない=就職できない)場合がある。 二次試験の時に、勤務地の希望をとる。試験の成績が低いと、希望通りにならない場合もある。 .
試験区分は、【3-7】の課程ごとになっています。なお、船舶運航システム課程については、試験の際に希望コースを提出し、採用内定時(入校の前)にコースが通知されます。希望者の多い場合、他コースに振り分けられることもあるようです。
配属地域(管区)も、試験の際に希望を提出し、採用内定時(入校の前)に配属先が通知されます。九州地区の合格者が相対的に多いため、(希望者のうち)成績上位層は地元の九州配属(第7管区・第10管区など)となりますが、それ以外は他地区に振り分けられるようです。 試験の名称は「海上保安学校学生募集」ですが、学生のときにも給与が支給され、卒業と同時に海上保安官として配属されますので、実際は「海上保安官」の採用試験と考えて下さい。 なお学生の定員が厳密に決まっているため、最終合格はしても海上保安学校の入校が順番待ちという実質的な「補欠合格」状態になる場合があります。その場合は、入校予定者から辞退者がでない限り採用にはなりません。 .
船舶運航システム課程
管区に配属され、主に巡視船に乗り込み、警備救難業務(海上犯罪の取り締まり、海難救助など)にあたることになります。いわゆる「海の警察官・消防官」のような仕事をすることになります。なお船内での日常業務は、航海コースは航海士(船の運転)、機関コースは機関士(エンジンなどの保守)、主計コースは主計士(調理や事務)として従事します。
希望コースは受験の際に選択することになりますが、その年によって希望に偏りがあるようで、必ずしも希望されたコースに入るとは限りません。 情報システム課程
管区に配属され警備救難業務にあたる巡視船に乗り込み通信士としての業務に従事するか、航行援助センター・海上交通センター等で海上交通業務(船舶への運航情報提供、灯台などの標識や通信機器の保守・運用など)を担当します。
管制課程
主に、運用管制官として、海上交通センター等において、航行船舶の動静を把握し、船舶の安全な航行に必要な情報の提供や、大型船の航路入航間隔の調整等を行う業務に従事します。その後、巡視船や海上保安部等での勤務もあります。
海洋科学課程
本庁や管区本部で、海洋情報業務(測量、気象・海象観測や、海の地図である海図の作成)を担当することになります。なお、全国の転勤を伴います。
航空課程
まず海上保安学校で1年間の基礎教育を受けた後、小型飛行機(固定翼)要員は海上自衛隊で2年半の委託研修を、ヘリコプター(回転翼)要員は海上保安学校宮城分校にて1年半の研修を受けて、それぞれ事業用操縦士資格を取得します。
そののち、航空基地やヘリコプターを搭載する巡視船に配属され、それぞれ小型飛行機やヘリコプターに搭乗し、警備救難業務に従事します。なお、全国の転勤を伴います。 .
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試験の名称が「海上保安学校学生採用」となっていますが・・・。
紛らわしいのですが、警察官の採用試験を「○○県警察学校」という名称でやっているようなものと考えてください。学校教育法上の学校ではなく、あくまで海上保安官の研修機関です。
「海上保安大学校」と「海上保安学校」の違いは何ですか。
大学校のほうが、いわゆる幹部養成コースとなります。修業期間も4年と、普通の大学に準じた教育内容を行っており、卒業時に学士(大学卒)の学位も授与されます。入学も難しく、防衛大学校や気象大学校と同じように、実質「大学入試」として入試対策をする必要があり、本サイトではガイダンス対象としていません。
なお、身分は海上保安学校と同じく、入学と同時に海上保安庁職員となり、給与も支給されます(学費は不要です)。 配属になる管区や船舶運航システムのコースはいつ決まるのでしょうか。
二次試験の際に希望調査があり、海上保安学校に入校する際に配属管区とコースが通知されます。船舶運航システム課程や情報システム課程の場合は、このとき決まった管区内でしか異動はありません。
なお、九州地区は、福岡・佐賀・長崎・大分の沿岸が第七管区、宮崎・鹿児島の沿岸が第十管区となっています。 .
学校生活は厳しいのでしょうか。
全寮制で、警察学校と同じイメージを持つとよいかと思います。6時30分に起床し、門限も22時過ぎまでと定められており、在校中の頭髪や服装などについても細かな規定があります。入校時には泳げなくとも構いませんが、授業でみっちり鍛えられます。また、それでも泳げないようであれば海上保安学校の近所にあるスイミングスクールに通うことになります。
女性の場合、不利な点はないのでしょうか。
公開はされていませんが男女の採用予定比がある程度決められているようで、女性の方が難しくなっています。しかし、警察官ほど男女で極端な競争率の差はありませんから、女性で警察官などを希望している人は併願先としてぜひ考えておきましょう。
5月に行われる海上保安学校特別募集とはなんでしょうか。
その年の10月に採用になる試験で、いわば「公務員専門学校生」用の試験となっており、高校在学者は受験することができません。また船舶運航システム課程のみとなります。
高校生現役生の皆さんは秋の試験を受けるしかないのですが、いいかえれば秋の試験に落ちても、その日から勉強をはじめて高校卒業後に数ヶ月公務員専門学校で頑張ればすぐに特別募集の受験チャンスが回ってくるということです。 2012年度より試験がかわったそうですが、変更点は何ですか。
教養試験が55題140分から、40題90分に軽減されました。また受験年齢の書き方が、従来は22歳まででしたが、高校卒業見込みか高校卒業後5年以内と変更になりました。留年などをせずに高校を卒業した場合、受験できる年齢は従来と実質的には変わりません。
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